元気が出る言葉たち(9)
理解してもらえず苦しむことがあっても、
そうした経験をしているからこそ、
人の気持ちを察したり、
やさしい気持ちが持てるんですよね。
(雑誌「レタスクラブ」)
たとえば、
非常に受け入れがたい
困難な現実にぶつかったとき、
人間はほとんど無意識のうちに
自分の心の形に合うように
その現実をいろいろ変形させ、
どうにかしてその現実を受け入れようとする。
もうそこで一つの物語を作っているわけです。
(物語の役割、小川洋子)
問題をなくす努力は大切だけど、
問題が全部なくなることはない。
だから、問題が解決してから
生きたいように生きるぞって考えても、
そんな日は永遠にやってこない。
今、生きたいように生きて、
問題をつぶしていくしかない。
(ロングテール)
人は誰でも荷物を持っていて、
その荷物を
捨てるわけにはいかない。
一生、それを持って
歩かなければならない。
たとえば、自分の躰が荷物だし、
自分の周りの人たちも荷物になる。
自分も誰か他の人の荷物になる。
…
僕はつい最近まで、
僕たちの持っている障害が
とてもやっかいで
重いものだと考えていた。
人よりも
努力しなければならないのは
不公平だとさえ思っていた。
しかし、険しい山に登ったり、
わざと困難なことに
挑戦する冒険家は、
そんな荷物をいつも探している。
荷物があることが大切なのだ。
(卒業文集、森博嗣)
人間は誰でも
自分が一番大切なのです。
そして、そのことを
本当に自覚した人間だけが
自然なかたちで他人を
大切に思うことができるのです。
(五木寛之、生きるヒント2)