人それぞれの自由
本当の自由なんて
その人の気持ちの持ちようの問題だと思うよ。
あちこち出歩いたり、あれこれ思いついたことを
やったりすることが自由なわけじゃないし、
なんにもしない自由だってその人が満足してれば
きっと本当の自由なんだよ。
(見えないドアと鶴の空、白石一文)
どんなに幸福そうに見える人間でも、
そいつが本当に幸福かどうかなんて
俺たちには永久に分からないんだ。
他人のことを幸福だと思うのは
「あなたは客観的事実として幸福なのですから、
そのことに納得し、決して不平不満を
述べないようにしてください」
と押し付けてるのと同じだ。
その本人の幸福とは何一つ関わりなんてないんだよ。
貧乏人には貧乏人の不幸があるし、
金持ちには金持ちの不幸がある。
同じように貧乏にしか手に入らない幸福もあれば、
カネでしか買えない幸福もある。
(この胸に深々と突き刺さる矢を抜け、白石一文)
誰も自分自身からは逃れられない。
逃れられないから向き合うしかない。
不器用故に、目を逸らさず誤魔化さず、
自分と向き合おうと決意した者を雄々しいと思うのだ。
その決意を人は、誇りと呼ぶのではないか。
(スパイクス、あさのあつこ)
不幸を治す薬は希望より外にない。
(シェイクスピア)