吉野弘さんの詩「雪の日に」・まずは自分に誠実でありたい…


「雪の日に」(混声合唱組曲) 吉野弘

雪がはげしく ふりつづける
雪の白さを こらえながら

欺き(あざむき)やすい 雪の白さ
誰もが信じる 雪の白さ
信じられている雪は せつない

どこに 純白な心など あろう
どこに 汚れぬ雪など あろう
               
雪がはげしく ふりつづける
うわべの白さで 輝きながら
うわべの白さを こらえながら

雪は 汚れぬものとして
いつまでも白いものとして
空の高みに生まれたのだ
その悲しみを どうふらそう

雪はひとたび ふりはじめると
あとからあとから ふりつづく
雪の汚れを かくすため

純白を 花びらのように かさねていって
あとからあとから かさねていって
雪の汚れを かくすのだ

雪がはげしく ふりつづける
雪はおのれを どうしたら
欺かないで 生きられるだろう
それが もはや
みずからの手に負えなくなってしまったかのように
雪ははげしく ふりつづける

雪の上に 雪が
その上から 雪が
たとえようのない 重さで
音もなく かさなってゆく
かさねられてゆく
かさなってゆく かさねられてゆく


やってみよう。
馬鹿は多いかもしれないけど、
まともなのも何人かはいるだろう。
(天空の蜂、東野圭吾)


※ 吉野弘さんは2014.01.15,87歳でご逝去されました。合掌
  



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by mahorou | 2016-03-23 12:00 | ★吉野弘さんの詩 | Trackback