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2019年1月22日火曜日/まほ63歳と59日目
あなたが住んでる街の今日の空色 どんな色
今日はいい日だ
頑張ってくれててありがとう
無理をしない勇気を使ってくれててありがとう

「奈々子に」  吉野弘

赤い林檎の頬をして
眠っている 奈々子

お前のお母さんの頬の赤さは
そっくり
奈々子の頬にいってしまって
ひところのお母さんの
つややかな頬は少し青ざめた
お父さんにもちょっと
酸っぱい思いがふえた

唐突だが
奈々子
お父さんは お前に
多くを期待しないだろう
ひとが
ほかからの期待に応えようとして
どんなに
自分を駄目にしてしまうか
お父さんは
はっきり
知ってしまったから

お父さんが
お前にあげたいものは

健康と
自分を愛する心だ

ひとが
ひとでなくなるのは
自分を愛することをやめるときだ

自分を愛することをやめるとき
ひとは
他人を愛することをやめ
世界を見失ってしまう

自分があるとき
他人があり
世界がある

お父さんにも
お母さんにも
酸っぱい苦労が増えた
苦労は
今は
お前にあげられない

お前にあげたいものは
香りのよい健康と
かちとるにむづかしく
はぐくむにむづかしい
自分を愛する心だ


人間は歳をとるほど、時間の流れを速く感じるようになる。
そんなことは誰でも知っている。
小学生の頃の一年と、今の一年を比べてみれば、
一年という時間の感じ方のちがいにビックリする。
(太陽と乙女、森見 登美彦)

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by mahorou | 2019-01-22 00:00 | ★吉野弘さんの詩

2019年1月9日水曜日まほ63歳と46日目
あなたが住んでる街の今日の空色 どんな色
今日はいい日だ
頑張ってくれててありがとう
無理をしない勇気を使ってくれててありがとう


「雪の日に」(混声合唱組曲) 吉野弘

雪がはげしく ふりつづける
雪の白さを こらえながら

欺き(あざむき)やすい 雪の白さ
誰もが信じる 雪の白さ
信じられている雪は せつない

どこに 純白な心など あろう
どこに 汚れぬ雪など あろう
               
雪がはげしく ふりつづける
うわべの白さで 輝きながら
うわべの白さを こらえながら

雪は 汚れぬものとして
いつまでも白いものとして
空の高みに生まれたのだ
その悲しみを どうふらそう

雪はひとたび ふりはじめると
あとからあとから ふりつづく
雪の汚れを かくすため

純白を 花びらのように かさねていって
あとからあとから かさねていって
雪の汚れを かくすのだ

雪がはげしく ふりつづける
雪はおのれを どうしたら
欺かないで 生きられるだろう
それが もはや
みずからの手に負えなくなってしまったかのように
雪ははげしく ふりつづける

雪の上に 雪が
その上から 雪が
たとえようのない 重さで
音もなく かさなってゆく
かさねられてゆく
かさなってゆく かさねられてゆく

※ 吉野弘さんは2014.01.15,87歳でご逝去されました。合掌
  

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by mahorou | 2019-01-09 00:00 | ★吉野弘さんの詩


「雪の日に」(混声合唱組曲) 吉野弘

雪がはげしく ふりつづける
雪の白さを こらえながら

欺き(あざむき)やすい 雪の白さ
誰もが信じる 雪の白さ
信じられている雪は せつない

どこに 純白な心など あろう
どこに 汚れぬ雪など あろう
               
雪がはげしく ふりつづける
うわべの白さで 輝きながら
うわべの白さを こらえながら

雪は 汚れぬものとして
いつまでも白いものとして
空の高みに生まれたのだ
その悲しみを どうふらそう

雪はひとたび ふりはじめると
あとからあとから ふりつづく
雪の汚れを かくすため

純白を 花びらのように かさねていって
あとからあとから かさねていって
雪の汚れを かくすのだ

雪がはげしく ふりつづける
雪はおのれを どうしたら
欺かないで 生きられるだろう
それが もはや
みずからの手に負えなくなってしまったかのように
雪ははげしく ふりつづける

雪の上に 雪が
その上から 雪が
たとえようのない 重さで
音もなく かさなってゆく
かさねられてゆく
かさなってゆく かさねられてゆく


やってみよう。
馬鹿は多いかもしれないけど、
まともなのも何人かはいるだろう。
(天空の蜂、東野圭吾)


※ 吉野弘さんは2014.01.15,87歳でご逝去されました。合掌
  



by mahorou | 2016-03-23 12:00 | ★吉野弘さんの詩 | Trackback

吉野弘さんの「祝婚歌」

「祝婚歌」  吉野弘

二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと
気付いているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
二人のうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで
疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい
立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には
色目を使わず
ゆったりゆたかに
光を浴びているほうがいい
健康で風にふかれながら
生きているなつかしさに
ふと胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして
なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても
二人にはわかるのであってほしい


人間関係に、とっても重要なことと、何度も読みたい
>互いに非難することがあっても
>非難できる資格が自分にあったかどうか
>あとで
>疑わしくなるほうがいい
>正しいことを言うときは
>少しひかえめにするほうがいい
>正しいことを言うときは
>相手を傷つけやすいものだと
>気付いているほうがいい

ネガティブを潰すのはポジティブではない。没頭だ。
(社会人大学人見知り学部 卒業見込、若林 正恭)


3/19・20日、お誕生日の方おめでとうございます。
また来週月曜日に元気にお会いしましょう。佳い連休を。。。
最後まで読んでくださってありがとうございました



by mahorou | 2016-03-18 23:59 | ★吉野弘さんの詩 | Trackback